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​領域代表挨拶

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氏原 嘉洋
Yoshihiro Ujihara
名古屋工業大学大
学院工学研究科 工学専攻 准教授

生命の「しなやかさ」を解明する

本領域では、細胞が様々なストレスに対峙し変容する能力を「しなやかさ」と定義し、細胞のしなやかさの定量化と生理的意義の明確化を目指す「しなやかさ生物学」創成のための学術変革研究を行います。

 

たとえば、心臓は、血圧などの血行力学負荷(ストレス)に適応して自身の構造や機能を最適化することが知られています。このような心臓のしなやかさは、心臓の拍動を担う心筋細胞のしなやかさに支えられています。これまで、細胞のしなやかなストレス応答の鍵は、刺激受容から転写因子活性化に至る細胞変容(再構成)過程に存在すると考えられてきました。しかしながら、我々の膜脂質の分子動態や機械受容チャネル活性に着目した研究から、個体や組織のしなやかなふるまいは、刺激受容の前に存在する可塑性に富むホットスポット(膜臨界場)のダイナミクスに支えられている可能性が明らかになってきました。

 

細胞骨格・接着斑・脂質・イオン環境などの分子レベルの動的不安定性を定量化することで膜臨界場の実像を解明し、膜臨界場が刺激受容を含む細胞のしなやかさを制御する仕組みを明らかにすることを目指します。

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