シンポジウム開催報告|日本膜学会「第45年会」・「膜シンポジウム2023」合同大会
- MASAKI TSUCHIYA
- 2024年3月26日
- 読了時間: 2分
開催日時:2023年11月20日(月)13:00~14:50
会場:早稲田大学リサーチイノベーションセンター(121号館)
シンポジウムタイトル:「生体膜における生命現象の理解を目指して~分子から個体レベルまで~」
オーガナイザー:長尾耕治郎
プログラム
リン脂質のリモデリング解析から迫る細胞機能の理解
長尾耕治郎(京都薬科大学)
特殊膜構造から探る鳥類と哺乳類における心筋細胞の高出力化戦略の違い
氏原嘉洋(名古屋工業大学 院工)
感覚機能におけるロドプシンと脂質シグナル経路の多機能性
曽我部隆彰(生命創成探究センター、生理学研究所)
膜中でのGタンパク質共役型受容体のダイマー形成についての研究
笠井倫志(国立がん研究センター研究所)
日本膜学会「第45年会」・「膜シンポジウム2023」合同大会にて、長尾がシンポジウム「生体膜における生命現象の理解を目指して~分子から個体レベルまで~」を企画し、領域から氏原先生と長尾が発表を行いました。
多種多様なタンパク質や脂質が分子レベルで統合的に連携することにより生体膜での細胞応答は執り行われています。そして、このような分子レベルでの細胞応答が引き金となり、個体レベルの応答が引き起こされます。このため、生体膜における生命現象の全貌を理解するためには、多様な次元での研究が必要であると考えられます。そこで、個体レベルでの表現型を意識しつつ膜タンパク質を研究されている曽我部先生と氏原先生、一分子レベルで膜タンパク質を研究されている笠井先生、膜タンパク質が機能する場である脂質膜を研究する長尾によって、生体膜における生命現象の多次元での理解を目指したシンポジウムを企画しました。
会場の座席はほぼ満席となり、各講演の質疑応答の時間には聴衆から数多くの質問・コメントが寄せられ、生体膜関連分野の研究者から高い関心を得ることが出来ました。また、シンポジウム演者が同年代の研究者で構成されていることもあり、演者間での親交を深めることが出来、新たな共同研究の芽生えとなる機会となりました。このため、本シンポジウムが領域内外の研究者の有機的な連携の起点となり、本領域が目指す“しなやかな細胞応答”の反応場である膜臨界場の分子レベルから個体レベルでの理解に繋がればと期待しています。最後に、素晴らしい講演を行って頂いた演者の先生方に深く感謝申し上げます。(長尾)
