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シンポジウム開催報告|日本機械学会 第36回バイオエンジニアリング講演会

開催日時:2024年5月12日(日)15:30~17:00

会場:名古屋工業大学2号館(A室)

シンポジウムタイトル:「細胞膜の構造・物性から迫る細胞の“しなやかさ”」

オーガナイザー:氏原嘉洋


プログラム

  • 細胞膜の構造・物性から迫る細胞の“しなやかさ”

    氏原 嘉洋(名古屋工業大学)

  • 細胞膜の力学的特性と細胞組織の形態形成

    松﨑 賢寿(大阪大学)

  • 分子動力学計算で明らかにするコレステロールがリン脂質二重膜を破れにくくするメカニズム

    重松 大輝(山口大学)

  • リン脂質の構造と分布の制御を介した動物細胞における“しなやかさ”の発現機構

    長尾 耕治郎(京都薬科大学)


日本機械学会 第36回バイオエンジニアリング講演会において、氏原が企画したシンポジウム「細胞膜の構造・物性から迫る細胞の“しなやかさ”」が開催され、本学術領域から長尾先生と氏原が発表しました。本領域では、細胞が様々なストレスに対して柔軟に変容する能力を「しなやかさ」と定義し、その定量化および分子レベルでのメカニズム解明を目指しています。

シンポジウムでは、細胞膜の微細構造や物性が「しなやかさ」の鍵を握るという観点から、細胞膜に関する最新の研究成果を紹介しました。氏原がまず本シンポジウムの趣旨説明を行い、心筋細胞に特有の膜構造であるT管膜について紹介しました。続いて、松﨑先生からは膜環境感受性色素Laurdanを用いた膜流動性の計測と、その流動性が細胞や組織の形態形成に与える影響についてご講演いただきました。重松先生には、分子動力学シミュレーションを駆使したリン脂質二重膜の破れにくいメカニズムの解析結果についてご説明いただき、長尾先生にはショウジョウバエ細胞を用いた脂質組成が細胞の温度や柔軟性に及ぼす影響についてご講演いただきました。


シンポジウムは「細胞膜の構造と物性」をキーワードに、異なる視点から活発な議論が展開されました。バイオエンジニアリング部門としてはやや異色のセッションであり、また学会の最後のセッションにもかかわらず、多くの聴衆が集まり、質疑応答でも非常に活発な意見交換が行われました。

今後、領域外からご講演いただいた松﨑先生、重松先生とのさらなる連携を深め、共同研究を実施していけたらと考えております。最後に、ご登壇いただいた先生方に心より感謝申し上げます。(氏原)



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